在庫回転率の話

在庫回転率の話
お世話になっております。オルセル齋藤です。

本日は在庫回転率という、あまりECでは話題に上がらないトピックについてお話します。

在庫回転率(棚卸資産回転率)とは、1年間で在庫が何回入れ替わっているか、
つまり仕入れから販売するまでの期間がどのぐらい短いかを表す指標です。

ECの世界ではあまり話題にのぼりませんが、非常に大事なように思います。

「仕入れたものはいつか売れるから大丈夫」とおっしゃる方がいます。

賞味期限があるような場合以外には、仕入れたものがいつか売れるのは良さそうに思いますが、その間、資金が寝てしまうことになります。
そして、その売れない期間も人件費や家賃などの固定費はかかりますし、さらに商品を仕入れて儲けるチャンスを失ってしまいます。
そのような考えだと、キャッシュフローが滞り、資金繰りが厳しくなるケースがあります。

やはり、在庫回転率は、売上や利益率と同様にしっかり見ていく必要があります。
お金を入れて、お金が増えて返ってくる期間が短い方が良いのは、パチンコと一緒です。

もっとも、今は為替の問題があり、円が高いときに仕入れてその当時の在庫をたくさん持っているところが、他よりも安く商品を販売して一人勝ちしている、というような業種もあるようです。
しかし、原則的には在庫回転率が上がるように、商品やカテゴリごとに数字を把握しておく必要があります。

また、利益率と在庫回転率の関係性にも注意を払うべきです。
例えば、うちは30%の利益が出ないのであればやらない、というショップがあるとします。
でも例えば、利益率が30%だと3ヶ月に1回しか売れないのに、利益率20%にすると3ヶ月に3回売れるような場合には、利益率は下がっても利益額は倍になります。
価格弾力性、つまり価格と需要とのバランスについても考える必要があります。

「利益率」や「売上」など、どこかの数字だけを持ち出して判断するのではなく、数字は多角的に見なければなりません。

この在庫回転について、いつも、良い商売だなと思う業種が2つあります。
1つは中古ブランド品屋さんです。

中古ブランド品は1点ものなので、在庫回転率は低い傾向にあります。
3ヶ月・半年は普通で、1年以上の場合も多いです。
しかも仕入れ代金もとても高額になるので、初期投資が大変大きい商売です。
目利き力もいるので、なかなか一般の方にはハードルが高いように思います。

でも、この業態のとても良い点があります。
それは、業者向けのオークションで売却することができることです。
仕入れ額とほぼ同額か、利益を載せて売ることができます。

もちろんそれ以外の業種でも、超激安セール等で対応することもできるかもしれませんが、中古ブランドの業態ではそのようなお店の負担なく、原資をほぼ確実に比較的短期間で取り戻すことができます。

もう1つは家具や車用品等の業種で見られるように、ドロップシッピングで在庫を抱えずに販売できる業種もいいですね。
実際は、やはり在庫を持ってすぐに発送できるショップが勝つようですが。

いずれにせよ、在庫回転率について、一度お考えになられるのも良いと思います。
ちなみに、今はデータがあれば、AIが分析してくれます。

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